松村秀一先生による第3回 特別講義がありました / Third Special Lecture by Prof. Shuichi Matsumura

8/2(金)の午後、松村秀一先生(神戸芸術工科大学学長)による特別講義の、第3回目が開講されました。4月から続いてきた講義の最終回。前回に引き続き、市営基町高層アパートの中央集会所で行われました。

映画「我等の生涯の最良の年」の一節の紹介

今回は、先生の著書「ひらかれる建築ー『民主化』の作法(ちくま新書)」の内容をベースに、近代以降における建築の「民主化」の変遷について、3つの世代に分けてお話しいただきました。

熱心に、おもしろく語られる先生のお話には、いつも時間を忘れて聞き入ってしまいます。

工業化・マスプロダクションを通じて早く・多くの人に建築を届けることを目指した第一世代。近代化がもたらした環境破壊や効率主義から抜け出そうと、「ヴァナキュラー」や「システム」の概念が注目され、日本ではプレハブ住宅をはじめとする「箱の産業」が成長した第二世代。人口減少やライフスタイルの多様化を迎え、豊かな空間資源が残された21世紀に、建築の主題が「箱」から「場」へと移ってきた第三世代。

それぞれの世代における民主化のあり方を解説し、最後にはこれからの時代において建築をひらいていく「作法」について、先生のお考えを示してくださいました。

講義の様子

講義終了後には、参加者で基町高層アパートの屋上庭園を見学し、先生と学生の親睦もさらに深まりました。

修士のときに先生の著作を読み漁っていた私としては、先生から直接お話を伺えたことに感動しつつ、それを集中講義で受けられちゃう後輩たちがとても羨ましかったです笑。今回をきっかけに、生産・構法の世界にのめりこんじゃう学生が増えたらうれしいなあ。

松村秀一先生、この度は本当にありがとうございました。

Prof. Shuichi Matsumura, president of Kobe Design University delivered the third special lecture at Motomachi High-rise Apartments. The theme of this lecture was the “democratization of architecture” since modern times. In particular, the changes since 1960 were classified into three generations and explained.

榎 / ENOKI