建築は総合です。数多の理論や技術の恩恵を受ける一方で、実際には地域・社会上の制約を受けており、そうした条件を踏まえて計画され、資源をまとめることによって成立しています。この事実を踏まえて建築のより豊かなあり方やその実現方法を提示していくことがものづくりを前に進める工学における建築学には欠かせません。
また、建築をつくる出発点は、そもそも社会が望む空間へのニーズ・要求にあります。これが変われば建築も変わります。そして今わが国は、人口減少や都市の衰退、既存の経済成長モデルの限界、ライフスタイル・価値観の多様化・個別化などに直面しています。建築のモノとコト、さらにはヒトのニーズ・要求が大きく揺さぶられ、建築のつくり方や施設のあり方も大きな変化を迫られています。
こうしたことに向き合いながら、新しい時代にふさわしい建築のありようとやりようを科学的に解き明かしていくことにはとても大きな社会的意義があります。そこで、本研究室では“どのような建築を実現していくべきか”“どのように建築を実現していくべきか”という視点を頼りにして、地域・社会で成り立っている建築のリアルなありようとやりようを解明することを通して、建築の最適化に向けた計画・生産の手法や考え方を追求しています。
具体的に、私たちの角倉・石垣ゼミ(都市・建築計画学研究室)では、建築計画学の中でも特に建築生産・建築構法および福祉施設ついて、学生と一緒に研究しています。
建築生産とは、建築のコトとしての成り立ち、建築構法とは建築のモノとしての成り立ちのことです。ごく平たく言えば、建築のやりようとありようです。すなわち、建築のつくり方について研究しています。
また、社会福祉施設には高齢者向けや障害者向けの施設、また保育・教育や社会的養護を担う施設、地域福祉を支える施設など様々な施設があります。それぞれの施設の位置付けを踏まえて利用者にとって望ましい空間をつくる手法について、計画の視点から研究しています。
このような研究を通して、建築にまつわる生活や暮らし、仕事、産業を、社会の変化に沿ったかたちにデザインしていくことを目指しています。
It is of great social significance to scientifically unravel the way architecture is suitable for the new era. Therefore, we research and study “how to be” and “how to build” architecture in local communities and society. By clarifying them, we are pursuing planning and production methods and ideas for architecture to improve our life.
In concrete, we research and study Architectural Planning, particularly about building process, building system, and welfare facility planning.
Through such study, we aim to design the lifestyle, work, and industry related to architecture, following changes in society.